梅干しの食べ合わせ


「梅干しとうなぎは一緒に食べてはいけない」という言い伝えは広く知られています。
多くの人が梅干しと相性が悪い食べ物は?と聞かれた時には、真っ先にうなぎを思い浮かべるのではないでしょうか。
この話は古くから伝わるもので、次のような理由付けがされています。
・うなぎの脂と梅干しの酸味が消化不良を引き起こす可能性がある。
・贅沢への警告としての意味合い。
・食べ過ぎを防ぐため。
・梅干しの酸味によって、うなぎが腐っていることに気付きにくい。
・・・らしいのですが、実際はどうなのでしょうか。
梅干しとうなぎを一緒に食べることで、消化不良を引き起こすことはほとんどありません。また、腐敗を見分けるのに、梅干しの酸味が影響を与えることもあまり考えられません。消化不良どころか、梅干しはうなぎの消化を促進する効果が期待できますので、逆に良い組み合わせと言えるでしょう。
実のところ、梅干しは殺菌効果や消化を助ける働きがあるため、組合せが悪い食べ物としては、ほとんど無いと断言できます。(塩分の取り過ぎになる塩辛などを除く)
逆に梅干しと一緒に食べると健康効果を高めることができる食べ物は沢山あります。
それらをいくつかご紹介しましょう。
〇しらす
梅干しとしらすを一緒に食べることで、カルシウムの吸収が向上するとされています。梅干し自体がカルシウムを豊富に含んでいる上に、しらすもカルシウムが豊富で、特にしらすに含まれるビタミンDがカルシウムの吸収を助けます。さらに、梅干しのクエン酸もカルシウム吸収を促進する効果があるため、骨粗しょう症の予防に効果的です。
〇しじみ
しじみは肝機能のサポートに役立ち、特に二日酔いに効果的とされています。しじみに豊富なオルニチンが有害物質の分解・排出を助ける一方で、梅干しに含まれるクエン酸やピクリン酸も肝臓の機能を支援します。
しじみと梅干しを一緒に摂取することで肝機能がさらに活性化し、二日酔いの改善に役立ちます。
〇納豆
納豆は、疲労回復に役立つと言われるたんぱく質が豊富に含まれている食材です。
さらに、たんぱく質の代謝に必要なビタミンB群や、アルギニン(成長ホルモンを促すとされるアミノ酸の一種)なども含まれています。
また、納豆菌による発酵を経ていることで消化吸収率が良いと言われているため、これらの栄養素を効率良く摂取することができると言われています。
一方、梅干しには同じく疲労回復に役立つと言われるクエン酸が含まれています。
納豆の原料である大豆には、体内の活性酸素を抑える作用が期待されているビタミンEやイソフラボンが含まれています。
さらに納豆には活性酸素を強力に抑える、トリプトファンやカタラーゼなどの抗酸化物質が含まれています。
そして梅干しには、活性酸素の抑制作用が期待できるクエン酸やポリフェノールが含まれています。
それぞれの抗酸化力で、様々な生活習慣病の原因とされる活性酸素を抑える効果が期待できます。
〇緑茶
緑茶に多く含まれる「カテキン」という成分には、抗菌作用や殺菌作用があります。
カテキンはコレラ菌のような病原菌や病原性大腸菌O-157などの食中毒菌にも殺菌作用を示すため、風邪やインフルエンザ、食中毒を予防するのに効果的です。
梅干しに含まれるクエン酸も強い殺菌力を持つ成分です。
クエン酸には、黄色ブドウ球菌や病原性大腸菌O-157の増殖を抑える効果があるため、カテキン同様、食中毒予防に効果があります。
〇ヨーグルト
珍しい組み合わせかもしれませんが、梅干しとヨーグルトもとても良い食べ合わせです。ヨーグルトにはカルシウムが豊富に含まれていて、梅干しに含まれるクエン酸には、カルシウムの吸収を助ける効果があります。 また、梅干しに含まれるクエン酸には、悪玉菌を抑制する効果があり、一方、ヨーグルトはビフィズス菌のような善玉菌があります。一緒に食べることで、悪玉菌の働きを抑えて善玉菌による体の免疫力を高めてくれる効果が期待できます。
ただし、同時に食べるのは味の面で「?」ですよね。
食事で梅干しを食べた後、デザートでヨーグルトを食べるのがいいかもしれません。
以上、良い方の食べ合わせのご紹介でした。