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梅干しの賞味期限

梅干しに賞味期限は必要?

「梅干しは腐らないのにどうして賞味期限があるの?」
という質問をいただくことがあります。
 
確かに古くから保存食の一つとして親しまれている梅干しは何年も腐らずに保存できるイメージがあります。現に3年梅、5年梅等、長期保存した梅干しがプレミア価格で販売されている商品もあります。
 
では、長期保管可能な梅干しとそうでない梅干しはどこが違うのでしょうか。
まず大前提として、いわゆる梅干しは分類上、「梅干」と「調味梅干」の2つに分かれます。
日本農林規格農産物漬物の定義では「梅干」とは梅の実を塩漬けして干したもの。「調味梅干」とは「梅干」を砂糖類、食酢、梅酢、香辛料等若しくはこれらに削りぶし等を加えたもの又は調味梅漬けを干したもの。とされています。
梅干しは見た目がほとんど同じなので混同されている方も多いのですが、一括表示にある「名称」の欄にはその商品が「梅干」なのか「調味梅干」なのかが明記されています。
 
何年も腐らずに保存可能な梅干しはこの分類上の「梅干」の内、塩分が20%前後の高濃度で、冷暗所などで適切に保管されたものになります。梅干しに含まれる高い塩分とクエン酸が食品を腐らせる腐敗菌の繁殖を抑え、長期の保管が可能となります。
 
では「調味梅干」はどうでしょうか。
調味梅干は梅干しを塩抜きし、甘みや旨味をつけた調味液に漬け込み、味付けしたものです。「梅干」の塩分が20%前後あるのに対し「調味梅干」は一般に10%前後、最近では3%などという低塩分の商品も販売されています。梅干しは塩抜きをして塩分18%以下になると、腐敗菌が繁殖しやすくなります。梅干製造企業は各社さまざまな工夫をして腐敗菌を抑えて保存効果を向上させていますが、おのずと限界がありますので賞味期限を設定する必要があるのです。また調味液で味付けしている関係上、腐らなくても日数とともに味が変化していきます。製造時の味をキープし、美味しく食べていただける目安としても賞味期限が必要となります。
 

開封後も賞味期限までは大丈夫?

「梅干しが腐ると縁起が悪い」と言われるほど、傷まない食品の代表のように思われがちな梅干しですが、長期保存が可能な高塩分の梅干しであっても、一部に水がかかったりして塩分濃度のバランスがくずれると、そこに菌が付着し腐敗することがあります。
ましてや調味梅干は塩分による保存効果は期待できませんので、開封後の取り扱いには注意が必要です。梅見月の調味梅干は「しそ」「しそ小梅」「さやか」「かつお」の賞味期限が製造より9ヵ月、その他商品は製造より1年と比較的長く設けておりますが、これは未開封の状態での期限となります。密封された容器の中は非常に低い菌数に保たれ、腐敗を防いでいますが、開封されますと、この条件がくずれ、浮遊菌の付着などで腐敗することがあります。開封後は冷蔵庫に保管し、なるべく早くお召し上がりいただくことをおすすめ致します。また梅の取り出しには乾いた清潔な箸を使うなどの注意も必要です。
 

賞味期限を過ぎた梅干しは食べられない?

賞味期限は消費期限とは異なり、美味しく食べていただける期限を記載したものですので、この期限を過ぎたからといってただちに食べられなくなるわけではありません。ただ、前述しましたとおり調味梅干の場合、味が劣化してゆきますので、製造時の味とは違っている恐れがあります。ですので、賞味期限を過ぎたものを食べることはおすすめ致しませんが、腐敗していなければ、食中毒などの心配はありませんので、食べる、食べないのご判断はお客様ご自身におまかせ致します。
ただし、次のような状態の場合は腐敗の恐れがありますので食べずに廃棄してください。
 
〇おかしな臭いがする。
梅干しは普段でも酸っぱい匂いがしますが、腐ってしまった場合には、また違った酸っぱい匂い、梅干し特有の酸臭に加えて、発酵したような腐敗臭がします。
 
〇表面にカビが生えている
繊維状で白くふわふわしたものならカビである可能性があります。
 
〇液汁が白く濁ってドロっとしている。
梅干しから出る液汁は通常透明ですが、濁っていやな臭いがする場合は発酵の恐れがあります。
 
※梅見月の「しろ」は上記分類上「梅干」になりますが、充填の際、水洗しておりますので、念のため賞味期限を1年で設定させていただいております。